エステート・プランニング

エステート・プラン(遺産計画)は、お客様の資産が、選んだ人や団体に、選んだ金額、タイミングや方法で、可能な限り、価値の損失を抑えながら分配されるようにすることを保証する一連の法的文書です。

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エステート・プランによく見られる文書には、Revocable Trust(取消可能信託)、Pour-Over Will(注ぎ込み遺言書であり、委託者が信託に指定するのを忘れた資産を死後に信託に「注ぎ込む」ことを許可する特別な種類の遺言書)、Durable Power of Attorney(永続的委任状)、Health Care Power of Attorney(医療委任状)等があります。

信託を含むエステート・プランには、死後の埋葬または火葬の方法に関する委託者の希望を規定する文書が含まれることがよくあります。

Transfer on Death Deedとは、信託とは別の文書で、不動産のエステート・プランを提供するものです。通常の遺言書も信託とは異なるもので、個別に作成することも、信託と同時に作成することもできます。

取消可能信託

Trust(信託)とは、自身の死後に、資産をどのように分配してほしいのかを設定する法的文書です。お客様の資産には、不動産、銀行口座、投資口座、生命保険、事業および事業資産、車、宝石、骨董品等の個人資産が含まれます。

エステート・プランニング弁護士がお客様の信託を作成する際、書面上、資産がどの様に処理されるのかを設定します。こうすることで、裁判所はお客様の財産の扱いを指図する権限がなくなります。信託の中で指示がなされているからです。

信託にはいくつかの利点があります。死後にご自身の資産がご自身のご希望に沿い分配されるようにできます。これにより、お客様の資産が誰に、どの程度、どのタイミングで分配されるのかを定めることができます。プロベートを完全に回避できるため、時間、弁護士費用、裁判費用等を大幅に節約できます。

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Transfer on Death Deed

Transfer on Death Deedは、その証書に署名をして登記することで、不動産を受益者に残すことができます。ただし、その登記証書は死ぬまで効力を発揮しません。

これは、お客様が証書に記した受益者は、死ぬまで所有権を有することができないことを意味します。同時に、元の所有者が生きている限り、いつでも証書を取り消したり、不動産を売却したりすることが法律により認められています。

遺言書

遺言書は、自身のお金や資産を誰にどのように分配したいのかを説明するための、「裁判官への手紙」のようなものです。遺言書が有効であり、その条項に従って遺産分配が実施されていることを証明するための裁判所で行われるプロセスを、プロベート(検認手続き)と言います。

遺言書はプロベート手続き中、公文書となり、誰でも遺言書の内容を見ることができるため、プライバシーはなくなってしまうことにご注意ください。

Durable Power of Attorney(永続的委任状)とHealth Care Power of Attorney(医療委任状)

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委任状は、病気等によりご自身による判断ができなくなった場合に、特定事項等に関し、決定する権限を他者に委ねることを可能にする法的文書です。決定権を委任する「委任者」と、委任される「受任者」または「代理人」の二当事者間の契約に相当します。

まず永続的委任状は、委任者に判断能力がなくなった場合に、委任者に代わり金銭的な決定を行える権限を代理人に委ねるための文書です。これには、各種支払い、資産の購入・売却、投資、銀行取引、納税申告等を代行する権限等が含まれます。

もう一つは医療委任状で、委任者に判断能力がなくなった場合に医療行為に関する決定を行う権限を代理人に委ねるための文書です。これには、治療に同意する権限、治療を担当する医療専門家を選ぶ権限、利用する医療施設を決定する等の権限が含まれます。

永続的・医療代理人に選任された方は、重大な責任を負います。多くの人は、配偶者、子供およびその他の親族を代理人として選任されます。親しい友人を代理人に選ぶこともできます。法律または金融の専門家を永続的代理人に選ばれる方もいらっしゃいます。誰を選ぶにせよ、ご自身の希望等を強い意志で遂行できる、説得力と責任感のある方を選ぶ必要があります。

エステート・プランニングに関するよくある質問

Trust(信託)のTrustee(受託者)になれるのは誰ですか?
通常、家族や友人などの個人が受託者として指定されます。指定された受託者が米国以外の居住者である場合、税務当局が信託を「外国信託」とみなした際には、より多くの税金を課す可能性があるため、米国居住者を受託者として指定することをおすすめします。
死後、医療委任状に基づいて臓器を提供することを選択できますか?
はい、ご自身の死後に臓器を提供するかどうかの選択を弁護士に依頼することができます。
Transfer on Death Deedにおいて、Beneficiary(受益者)をジョイント・テナンシー(合有不動産権)に基づき、複数の受益者を指定できますか?
はい、ジョイント・テナンシーに基づき、複数の受益者を指定することができます。
Durable Power of Attorney(永続委任状)、またはHealth Care Power of Attorney(医療委任状)の期限はいつ切れますか?
通常、委任状の委任者が死亡した時点で失効します。