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執行人として任命される権利の放棄 |
はじめに |
執行人とは、被相続人の死後、その被相続人の遺産処理手続きをする責務を持つ者です。被相続人が遺言書を残した場合、その遺言書に指名された執行人が被相続人の遺産処理をしますが、被相続人が遺言書を残さずに死亡した場合は、裁判所が通常、被相続人のご遺族の誰かを執行人として任命します。 |
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執行人として任命されるための優先順位 |
アメリカの各州において、執行人として任命されるための優先順位に関する規定は異なります。一般的に、被相続人が遺言書を残した場合、当然のことながら、遺言書に指名されている執行人が被相続人の遺産処理をする際の執行人として務める最優先権を持ちます。ただし、被相続人が遺言書を残さずに亡くなられた場合の執行人の優先順位については、州によって、規定が異なります。
例えばハワイ州の改正法においては、被相続人が遺言書を残さずに亡くなった場合、被相続人の生存配偶者が、被相続人の遺産処理をするための執行人として務めるための、最も高い優先順位を持ちます。次に、被相続人のその他の相続人が執行人として任命されることが優先され、その次に、被相続人の死後45日後には、債権者も任命されることができます。
ニューヨーク州の裁判所手続法においては、遺言書のない遺産処理手続きにおいては、ハワイ州法と同様に、生存配偶者に最優先権が与えられるますが、ニューヨーク州の規定においては、生存配偶者が執行人として務めることができない場合、優先順位はより具体的に以下の様に定められています。(1)被相続人の子供、または孫、(2)親、(3)兄弟姉妹、(4)姪、甥、または叔母、叔父の順番になります。 |
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執行人として任命される権利の放棄 |
優先権を持つ執行人は、一般的には、その権利を放棄するための文書を裁判所に提出することにより、その権利を放棄し、代わりにその責務を務めてもらえる者を指名することができます。
遺産処理が実施される州に居住されていないご家族の場合、優先権を持つご遺族が執行人として責務を果たすための権利を放棄し、遺産処理が行われる州にいる第三者を執行人として指名することが良い場合もあります。任命できる者は、ご遺族が遺産処理のために雇われたプロベート弁護士でそこの管轄に在住する方、またはそこの州に居住する友人、またはその他の第三者等を含みます。その州に所在する者は出廷することもでき、遺産処理手続き中に署名が必要な書類等に簡単に署名することができるため、被相続人のご遺族の全員がアメリカ以外の土地に居住されている場合等には特に役立ちます。 |
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まとめ |
執行人としての責任を果たすための権利の放棄は、優先権を持つご遺族がさまざまな理由において、執行人としての役目を果たせない場合等において役立つため、執行人として務めるための優先順位に関する規定及び優先順位の高いご遺族がその責務を務めることができない場合、誰が執行人に任命されることができるのかに関する州法について、知っておくと良いでしょう。 |
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