|
Irrevocable Trust (撤回不能信託)の選択肢 |
はじめに |
一般的に、殆どの家庭においては、Revocable Living Trust(撤回可能な生前信託)を準備するだけで十分です。 例えば生前信託を準備した後に新しい資産を購入した場合、撤回可能なリビングトラストは、信託のSettlor(委託者)が生きている限り、信託の修正・変更を可能にするため、新しい資産を現在の信託に追加すること等ができます。ですが、ご家族によって、遺産額が遺産税の免除額を上回る場合、それを軽減・回避させるためにおいての保護等を提供することができるIrrevocable Living Trust(撤回不能信託)を作成することを選択する場合もあります。当記事では、アメリカで良く作成することが検討されるSLAT (“Spousal Lifetime Access Trust”)とQTIP (“Qualified Terminable Interest Property Trust”) を含む 2 種類 の撤回不能信託をご紹介します。 |
|
SLAT (“Spousal Lifetime Access Trust”)とは |
SLATとは、撤回不能信託であり、配偶者がもう一方の配偶者の利益のために、その信託に贈与することを許可するとともに、夫婦の遺産税の課税対象となる総遺産額を減少させる効果があり、それによって連邦および州の遺産税の支払義務を軽減することに役立ちます。撤回不能信託への贈与は、贈与を行う配偶者の贈与税および遺産税の免除額を利用して行うため、課税されないことになります。
例えば、ある夫婦が合計 3,000 万ドルの資産を持っているとします。 配偶者の両方が、それぞれ 1,361 万ドル (2024 年の連邦遺産税免除額) を、お互いに利益をもたらす 2 つの SLAT に譲渡した場合、遺産税の課税対象となる遺産から全額 2,722 万ドルを引き出すことができるとともに、 SLAT への贈与から、 夫婦の両方が信託から収入と元本の分配を受け取れることも可能にします。結果的に、ご夫婦には、SLAT 収入と元本分配に加え、生涯のニーズをサポートすることを可能にする、278 万ドルの残金が手元に残ることになります。 |
|
QTIP (“Qualified Terminable Interest Property Trust”)とは |
QTIP信託では、信託のSettlor(委託者)が、生存配偶者への信託からの収入、または時によっては元本の分配の指定をして、配偶者が生涯にわたって確実にケアされる様に配慮をし、生存配偶者の死後、残りの資産を受け取る最終受益者も指定することができます。
QTIP 信託は、配偶者が生涯にわたって確実に収入を得ることができるようにするための優れたエステート・プランニング・ツールとなりますが、それと同時に、指定された最終受益者が、生存配偶者が再婚する、または以前の結婚相手との間に子供がいる場合等においても、信託内の残りの資産を確実に継承できるようにするためにも役立ちます。 QTIP 信託は、離婚または再婚等を経験し、最初の結婚時にできた子供や、その後の結婚において継子等ができたご家族の場合等において、適した信託となります。 |
|
まとめ |
撤回可能な生前信託は一般的な家族にとって適している種類の信託かもしれませんが、撤回不能信託等を含めた、その他の選択肢でご家族の状況に適しているものについても、弁護士と話し合ってみるのは良いことかもしれません。 |
|
|
|
本郷友香弁護士が マークィーズ・フーズ・フー の賞を受賞する |
本郷友香弁護士は、2024年のマークィーズ・フーズ・フーの名誉ある「Honored Listee」賞を受賞しました。選考プロセスでは、業績、地位、知名度、その分野での活躍等の要素がすべて考慮されます。 マークィーズは 1898 年以来、功績を残した個人やイノベーターの生涯を記録してきました。本郷弁護士の受賞について詳しくは、こちらをご覧ください。 |
|
|
|
本郷法律事務所へのご意見等 |
平素より本郷法律事務所をご利用いただき、誠にありがとうございます。弊所のサービスがお客様のご期待に沿うことができた場合、レビュー(弊所に対してのご意見等)をご投稿していただけますと幸いです。 お客様のレビューは、弊所がレベルの高いサービスを提供し続けることに役立つとともに、弊所が遺産相続等の案件に対し、どのようにお役立ちできるのかを、他のお客様にも知っていただくことに貢献します。レビューをお書き頂いてありがとうございます。
こちらのリンクにて、レビューをご投稿ください。 https://g.page/r/CZMJxYdmjvC3EBM/review |